また、20年前の話になりますが。
当時毎月、定期的に
ジャズやボサノバのライブをやっている喫茶店がありました。
一人で入ると、
いつも自分の席の近くに手招きして呼んでくれる
親切な女性がいて、
何にもわからないただの通行人的な私を
濃厚な音楽談議の輪に入れてくれまして、
かといって何か凄いことを語れるわけでもないので、
ただ座ってただけでしたが、
内容は凄く面白く、
それは楽しいひと時を過ごさせてもらったものです。
けれど、いつしか行かなくなり
その喫茶店のライブもなくなり
時は流れました。
いつごろか、噂で
その親切な女性が
「M」という喫茶店をひき次いだと聞きましたが、
場所も知らず、調べることもなく
また時は流れました。
けれど、ある街角に立った時
ふっと 振り向くと
通りの中に、そこの看板を見つけました。
前まで行ってみましたが、
お店は閉まっていました。
そして一昨日、立ち寄った本屋でめくったページに
その、喫茶店のことが書かれてありました。
ちょっと会いたいなと
ずっと、思っていましたが
今行ったら会えるかもと思いました。
今度は戸口に「welcome!」の文字が。
20年ぶりに会いました。
変わらぬ笑顔が見られて
嬉しい気持ちが弾けました。
そしてやっぱり、カッコいいを3枚ぐらい羽織ったような
粋なおじさんがいて、
音楽談義に巻き込まれました(笑)。
やっぱり私は聞くだけでしたが、
昔と変わらない、その暖かく陽気な大らかさにちょっと感動して、
また来ようという気になったのでした。